顎顔面外科
はじめに
顎顔面外科は、あご(上下顎骨)や鼻を中心とする顔面全体の病気や変形を専門に扱う診療分野です。対象となる疾患は幅広く、
- かみ合わせの異常(顎変形症)や小顎に伴う睡眠時無呼吸症候群
- 鼻の変形(斜鼻・鞍鼻など)や鼻閉(鼻づまり)
- 顔の形の異常や非対称
- 交通事故や転倒などによる顔面骨骨折、その後の変形
- 先天異常(唇顎口蓋裂など)
- 術後の瘢痕や変形の残存
といった多岐にわたる問題を診療対象としています。
これらの病気は見た目の問題にとどまらず、「噛む」「話す」「呼吸する」など日常生活に直結する重要な機能にも影響します。当科では、機能回復と整容性改善の両立を治療の基本方針とし、患者さん一人ひとりに合わせた治療を行っています。
顎顔面外科の
対象疾患と治療
顎変形症(かみ合わせと顔の形の異常)
特徴
上下のあごの骨格のバランスが崩れることで、かみ合わせの不調和、顔の非対称、発音や咀嚼の問題が生じます。
治療
矯正歯科と連携し、顎矯正手術(Le Fort I 型骨切り術、下顎枝矢状分割術[SSRO]、頤形成術など)を行い、かみ合わせと顔の調和を改善します。
顎顔面外傷
特徴
交通事故や転倒などによる顔面骨骨折(頬骨、上顎骨、下顎骨、眼窩底骨折など)。噛む・話す・見た目に影響を及ぼす場合があります。
治療
プレート固定や骨移植を用いて骨を整復し、機能と整容性を回復します。緊急性が高い場合も多く、24時間対応できる体制を整えています。また、術後の変形の残存などにも対応しております。
先天異常(唇顎口蓋裂など)
特徴
生まれつき顎や口蓋に形成不全がある場合、哺乳・発音・顔貌に影響を及ぼします。
治療
言語療法士や矯正歯科とも協力し、成長に合わせた段階的治療を行います。顎裂部の骨移植や顎矯正手術も必要に応じて行います。成人期における修正手術も行っております。
治療の流れ
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初診・診断
CTや3D画像解析、咬合分析を行い、病態を正確に評価します。
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治療計画
多職種で治療方針を検討します。
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手術・再建
骨切り術や再建手術を適切に選択し、安全に実施します。
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術後フォロー
咬合・発音・顔貌の長期的安定を目指してリハビリや矯正治療を継続します。
当科の特徴
- 顔面における幅広い領域に対応
- 3DシミュレーションやCAD/CAM技術を用いた精密な手術計画
- 他科との連携による包括的チーム医療
まとめ
顎顔面外科は、あご・顔・鼻に関わる幅広い病気やけが、変形を対象とし、機能の回復と見た目の改善を両立することを目的とする診療分野です。
当科では、多職種と連携し、患者さん一人ひとりの状態に合わせた包括的で質の高い医療を提供しています。専門性の高い医療とチーム体制でサポートいたします。
