皮膚悪性腫瘍
皮膚悪性腫瘍とは
皮膚悪性腫瘍には基底細胞癌、有棘細胞癌、悪性黒色腫(メラノーマ)など様々な種類があります。主な原因は紫外線です。高齢で発生することが比較的多く、近年では高齢化社会に伴い皮膚悪性腫瘍の患者も増加しています。顔面や四肢など目に見える部位に発生するため、胃癌、大腸癌、肺癌など内臓に発生する癌とは異なり、早期での発見が可能です。早期に適切な診断・治療を受けることにより、完治する皮膚癌も数多くあります。
根治には手術により悪性腫瘍を取り除くことが必要です。当科では悪性腫瘍の切除および再建を積極的に行っており、根治性を一番に考えながらも、可能な限り整容的・機能的に良好な再建を心がけております。また、化学療法を要する場合は皮膚科と連携しながら治療を行っております。
新しくできた、急に大きくなってきた、なかなか治らないなど気になる“できもの”があれば早めに当科を受診してください。
基底細胞癌
皮膚悪性腫瘍の中で最も頻度が高い腫瘍です。毛包間上皮や毛包の基底細胞を由来とすることが最近明らかになってきました。局所浸潤性は高いですが、遠隔転移は極めてまれです。
症状
黒色や灰色のわずかな盛り上がりを呈することが多いですが、まれに赤色や皮膚色の場合もあります。進行すると潰瘍化することもあります。
好発年齢、部位
高齢者ほど多くなる傾向がありますが、若年での発生も認めるため注意が必要です。顔の中心が好発部位であり、中でも眼瞼周囲に最も多く発生します。
原因
紫外線が基底細胞癌の発症に影響を与えたり、放射線曝露により基底細胞癌の発生率が上昇すると考えられています。
検査
ダーモスコピーや臨床的に診断が困難な場合は、診断確定のために病変の一部のみを切除する部分切除生検を行います。
治療
手術による切除が原則となります。腫瘍辺縁から4~5mm離して切除します。
経過
転移の可能性は低く一般的に予後は良好ですが、再発がないか術後2~5年経過観察をすることが多いです。
有棘細胞癌
表皮を構成する角化細胞から生じる悪性腫瘍です。皮膚以外にも口唇、口腔、咽頭、食道、外陰部などあらゆる部位の粘膜からも生じます。
症状
初期にはジュクジュクした赤い盛り上がりやカサカサした湿疹など様々な症状を呈します。
好発年齢、部位
40歳以上に好発します。顔面(鼻、耳、唇、瞼)、頭部が最大の好発部位でありますが、その他の露出部や外陰部に発症することもあります。
原因
紫外線暴露、ウイルス感染、化学物質(ヒ素化合物やタール類など)が発症原因となります。また、様々な発症母地(熱傷瘢痕、褥瘡、放射線皮膚炎など)や先行病変(日光角化症、Bowen病など)から生じることが多くあります。
検査
一般的に悪性腫瘍を疑う場合は、診断確定のために病変の一部のみ切除する部分切除生検を行います。視診や触診で周囲への浸潤が疑わしい場合やリンパ節やその他への遠隔転移の有無を調べる場合はCTなどの画像検査を行います。
治療
遠隔転移がない場合は手術療法が基本となります。その際、病変の部位や大きさに応じて腫瘍辺縁から4~10㎜ほど離し広範囲での切除が必要です。リンパ節転移が疑わしい場合は、リンパ節生検やリンパ節郭清術を行う場合があります。
手術が困難な場合や転移を認める場合は化学療法や放射線療法を行います。
経過
早期に手術による根治術が行えれば予後は良好ですが、再発や転移がないか5年を目途に経過観察が望ましいです。
